自然科学II

授業科目区分

教養科目
教養科目 自然科学系
まちラボ・わくらぼ:使用しない
選択科目 2単位 3年次 後期




担当教員

浅海弘保

学習教育の目標

 この授業では、我々の身のまわり・生活の中の物理について学ぶ。断片的な知識を暗記するのではなく、高等学校の物理で学んだ知識を基礎にして、我々に身近な化学的現象がなぜ起こるのか体系的に説明できるようになり、「物理はおもしろい」と思えるようになるのが目標である。  特に物理の予備知識なしに学習を始めても基本的な知識と考え方が身につくようにすることを目標とする。

授業の簡単な概要

 物理によって私たちは、原子・分子やもっと小さな世界から宇宙のような大きい世界まで、長さの違いが60桁以上も違う範囲の自然の様子を理解することが出来るようになった。皆さんが日常的に使う携帯電話の仕掛けや、飛行機が飛ぶ理由、脳の働きや遺伝・発生などの生命現象も、物理の助けで判るようになってきた。世の中は物理であふれているといってもよい。そこでこの科目では、物理に関するいろいろな謎を出していって、それらの謎がどう解かれていくかを見ながら、皆さんを物理の世界へ誘いたい。また、物理の基礎的概念を、単にその内容だけでなく、何故必要とされたか、どう発展していったかまでを含め、皆さんと一緒に理解して行くつもりである。そのために、身の回りの物で出来る実験を紹介したり、課題を出して行く。是非自分の力でやって欲しい。安全にかかわることについて、物理がいかに大切な働きをするかも見てゆこう。  この講義は物理を全く学習したことのない人や、少し学んだことはあるが改めて学習し直し知識を確実なものにしたい人などが主な対象である。  物理の理解に必要な基礎知識を全15回にわたって講義する。この講義ではさまざまな物理現象のどこに物理が使われているのか、また物理学の  どの理論で説明されるのかを紹介し、それらを通じて物理そのものを学ぶとともに物理的なものの見方・考え方を学習する。

この科目のキーワード

力学、熱力学、波、光、物性、相対性理論、電磁気学

履修もしくは取得していなければいけない科目

特になし。

履修に必要な予備知識や技能

高等学校で物理を学習していることが望ましい。

その他この科目を履修するために必要な条件

特になし。

学習支援

対面講義(実験含む)、LMS上の資料、LMS上の課題

オフィスアワー

時間割決定後に授業等で連絡します。

学習内容

  1. 物理は生きている  物理とはなんだろう。身近にあるもので皆さんも出来る実験をやりながら、日ごろ接するものや現象の中から、特に安全にかかわる事柄を取り上げ、物理がいろいろなところでいかに生き生きと活躍しているかを見てゆこう。たとえば音をとって考えよう。音とはなんだろうと考え、出来る範囲で実験してみる。物や現象について、なんだろう、なぜ、どうしてと問うのが物理の考え方なのである。記号や数式を怖がらずに物理と仲良くなろう。
  2. 力とはなんだろう  力の作用のうち、支える(つりあい)、動かす(運動)、形を変える(変形)の3つについて考える。つりあいを見ると、力には大きさと方向が大事な要素であること(力はベクトル)、広がりのある物体に作用するときは、作用点が大事であること(力のモーメント)、作用が面を通してのときは、面積あたりの力(圧力)が重要なことを、実験しながら見て行く。次に運動に移る。力は運動の何を変えるのだろうか。この疑問を突き詰めると、ニュートンに迫ることが出来、運動の基本法則に行き着く。運動の例として、等加速度運動、等速円運動を考え、重力と落下の謎を解こう。
  3. 力はいつも仕事をするか  実感に基づいて仕事の定義を与え,前回解いた落下運動を分析すると、自然に位置エネルギーと運動エネルギーという概念が出て、全エネルギーの保存則に導かれる。キャッチボールをやりながら、運動するものを受け取る際の衝撃が、運動量という概念でうまく浮ケることを見よう。運動量が保存することを体験するとともに、運動量保存則が第3法則によることを示す。ロケットがなぜ飛ぶかも理解できる。
  4. まわるコマはなぜ倒れないか  コマを作って回してみよう。速くまわるコマは、どうやれば出来るのだろうか。コマを手で倒そうとしてもなかなか倒れない。なぜかを考えると、自然と角運動量という量に行き着き、角運動量の保存則に導かれる。惑星の運動の経験法則(ケプラーの法則)、運動の基本法則と第2回のボール回し(等速円運動)で学んだ事柄を使うと、万有引力の法則を導くことが出来、ニュートンに行き着く。こうして落下の原因が判る。
  5. アインシュタインの考えたこと  アインシュタインがどのようにして相対性理論を考えたかをコンピュータグラフィックスで体験していきましょう。光の速さは、どんなにスピードが速い人がみても変わりません。この実験事実から驚くべき結果が導かれることを主にCGで見ていきます。
  6. 温度ってなんだろう  温度は温度計で測るものです。でもいったい温度とは物質のどういった量なのでしょうか?また金属にさわると冷たく感じます。この理由を考えると温度と分子の意外な関係も見えてきます。温度を目に見えるようになりましょう。こうしたことを通じて大気の温室効果が起こる仕組みも勉強していきましょう。
  7. 自動車の燃費はどこまで上げられるか?  日常ではほとんどのエネルギーは熱になっていきます。その意味で熱は特殊です。熱はなぜ特殊なのかをCGで理解していきましょう。自動車は熱を力学的なエネルギーに変えています。熱のエネルギーを力学的なエネルギーに変えるのに限界があることを感覚で理解できることが目標です。
  8. 波を見て場を知ろう  音でも光(電波)でも、情報伝達の主役は波である。では波とは何か、実験をしながら見てゆこう。池の真ん中に石を落とすと、円く波が広がって進むが、水面の小さな木の葉は上下に振動するだけで、波と一緒に進むことはない。媒質の場所ごとの振動が、次々に広がるのが波なのである。振動と波の基本的な性質を見て行こう。振動と波にかかわる現象の中で、安全に必要なことにも触れる。
  9. 光の正体は何か  普通に見る光は、直進し、物に影を作り、水やレンズで曲げられる。まず光のこの粒子的な局面を取り上げ、レンズやカメラの作用を考える。一方、シャボン玉や光ディスクのきれいな色模様は、前回見た干渉によるから、光は波でもある。実は光は、波長のごく短い波(電磁波)なのである。波なら、私たちは光を音と同じように感ずるのだろうか。遠い星の光まで見えるのはなぜか。この疑問は、量子の世界にかかわる。答は第14回までまとう。
  10. 物はなぜ温度で姿を変える  物は、なぜ温度によって固体、液体、気体と姿(相)を変えるのだろう。温度は、分子の運動エネルギーの目安だったから、温度を分子の間の相互作用のポテンシャルエネルギーと比較すればよさそうである。相が違えば密度が変わり分子間の平均距離も変わることに注目して温度と相の変化を見て行こう。水の不思議な性質や、磁石、超流動・超伝導などの不思議な相についても見て行く。
  11. 電気とは何だろう  電気の力は日常的には静電気などのように希な力です。でも本当に希な力なのでしょうか?電気の力の本当のすごさを知っていきましょう。電気には場の考え方が重要になってきます。そこで、なぜ場の考え方をするかや、電圧などの考え方も理解していきましょう。
  12. 電流はすごい  電流は電車を動かすくらい強いものです。この電流の性質を勉強していきましょう。電流の基本は意外に簡単です。電流を目で見えるように主にCGで説明していきます。また、磁石の仕組みも学習しましょう。そして、電流もまた磁石になることを見てみます。
  13. 電気をどう作るか  電流が磁場を作るなら、電場も電流を作ります。この電磁誘導の法則により発電がどのようにして行われているのか見ていきます。電磁気学のすごさはそれだけではありません。電磁波を洛セし、光は電磁波であることを見ていきます。その結果として光の性質が電磁気学からどのように説明されるのかもCGで見てみましょう。
  14. 量子ってなに  電気分解やイオンの存在から、物質を作るのは電気力らしい。ではその源の電荷は何か。その主役が電子であり、原子が電子と重い核(原子核)から出来ることがわかって、ミクロの世界が開けた。では、原子はどうやって出来るか。この謎は、古典物理では解けなかった謎(原子からのとびとびの光、低温で0となる比熱、光電効果、熱放射)と合わせて、ミクロの世界ではエネルギーがとびとび(エネルギー量子)であることで解けることを見よう。量子の世界は、電子が波のように振る舞ったり、光が粒子のように振る舞ったりする不思議な世界である。
  15. 世界はなにで出来ているか  原子がなにから出来ているかは判ったが、では原子核はなにから出来るのか。この疑問を、どんどん小さな世界にぶつけて行って得た現在までの結果を示そう。逆に、目を大きい世界に向けると、太陽を初めとする恒星がなぜ燃えるか、宇宙がどうやって出来たかなど、いくらでも疑問が出る。これらに対する物理の理解も示そう。鉄より重い元素が出来たのも、爆発や衝突を繰り返す星と銀河の歴史の産物であることが判る。私たちの体にもある重い元素が、いつ、どの星で出来たのかを想像するのも物理の楽しみ方のひとつである。

教科書

初歩からの物理 (生井澤 寛, 鈴木 久男)

参考書

物理の世界 (生井沢 寛, 波田野 彰)

NDC

420

科目分類コード

4904

達成度評価(評価方法:合計100点)

試験:      60 / 100
レポート:    / 100
小テスト(中間テストなど含む): 15 / 100
小レポート(中間レポートなどを含む): 10 / 100
作品:      / 100
ポートフォリオ: / 100
その他:

学習意欲の定量的評価 15