情報メディア学部は、私たちが暮らす現代社会が示すさまざまな傾向、たとえば情報化・国際化・グローバル化などに関心を持ち、現代社会にとって必要不可欠となっている情報メディアを活用し、それら現代的な諸問題に対して自ら積極的に対応していこうとする人材を育成する。
現在のインターネットの普及は、グーテンベルクの印刷革命に匹敵するコミュニケーション革命といわれています。産業・文化・教育など、私たちの生活の全般で大きな変化が生じています。この新しい時代にふさわしい新しい学問が情報メディア学です。わが国初の情報メディア学部は、こうして2000年に稚内北星学園大学に誕生したのです。
このフロンティア精神は稚内北星学園の伝統です。たとえば、基本的な技術情報が公開され、情報の共有が保証される「オープン・スタンダードな技術」であるUnixやJava言語をわが国で初めて情報教育に取り入れたのも稚内北星学園です。
そして、これからも稚内北星学園大学は未来を拓くフロントランナーをめざします。
情報メディア学の理解には「情報技術・メディア表現・コミュニティ」という3つのキーワードと〈グローカリティ(global + locality=glocality)〉という視点が重要です。この視点は地球規模で対応が迫られる環境問題で注目され、ひろく実践されている考え方です。
たとえばJava言語はインターネットの中核システムであるデータベースやそのインターフェース部分に使われますが、プログラムには土台となるシステムやネットワーク技術の知識が不可欠です。しかし、デザイン感覚の弱いコンテンツでは多くの人びとの関心を集めることはできません。つまり、情報技術とメディア表現はつねに関連づけて学ばれなければならないのです。それを可能にするのが、稚内北星学園大学のカリキュラムです。
同時に重要なのが、グローカリティやコミュニティ感覚という観点です。なぜでしょうか。それは、人びとが必ず一定のコミュニティの中で生きているという事実に基づきます。インターネットには多様なコミュニティがありますが、そこだけで人は生きているのでありません。身体があるからです。生活する地域社会から世界に向けて情報を発信するときに重要なのがコミュニティ感覚だといわれるのは、こうした理由です。コミュニティ感覚をもって、最新の情報技術とデザイン感覚あふれるメディア表現が未来を拓きます。
インターネット空間をサイバースペースと呼ぶことがあります。この空間は、〈どこにもない場所〉であると同時に〈どこにでもある場所〉だといわれています。つまり、この空間は身体をもった地域から開放された、情報技術と人類の想像力によって創造された公共空間です。多くの人びとが、インターネットにアクセスし、サイバースペースにあるさまざまなサイトで必要な情報を入手し、楽しい時間を過ごしています。
このように、現代は誰でもがサイバースペースを気軽に手近に利用できます。しかし、こうした時代だからこそ、この空間を支える技術力と表現力、そしてサイバースペースの社会的な影響力を捉える洞察力を養うことが必要とされています。特に重要なのが、社会的な問題を把握するときに中心となるコミュニティ感覚なのです。
21世紀型市民を育成するための基礎を担うのが「教養科目」です。その中の系列は、人文科学・社会科学・自然科学・外国語・スポーツ科学・総合から成っています。これらの中では、サイバースペースも含めた公共場面における倫理学、地域に根ざした社会福祉も含めた社会学、必修のロシア語から始まるロシア文化論やサハリンとの国際交流、そして地球からの恵をしっかりと捉える地球環境学や海洋生態学、スポーツとまちづくりとをつなげる地域スポーツなどが特に目を引きます。
情報メディア学の基礎を創るのは「専門基礎科目」です。ここで養われるのが、デザイン感覚(メディア系)、社会的な洞察力(社会情報系)、基礎的な情報技術(IT系)、そして社会人基礎力と自己分析力(総合系)です。ここでは、地域から情報発信をするために不可欠な情報技術力と表現力の基礎学習と実習・演習とがつながっているのが特徴的です。特に、宗谷を視野に入れた地域ジャーナリズム論、地域教育論、環境経済学、広告制作論が注目すべき科目です。
「専門科目」はプログラミングやグラフィックスに関わる「ソフトウエアー系」、ネットワークの設計や管理に関わる「ネットワーク系」、地域メディアから3DCGまで関わる「メディア表現系」、ひろく情報科学を支え発展させる「数学系」、ゼミ活動や総合研究に関わる「総合系」から成ります。ここでは、専門的な知識や高度な技術を講義と演習とのつながりの中から学習し、最終的には「卒業研究」へと発展させます。
稚内北星学園大学情報メディア学部のカリキュラムでは、情報技術・メディア表現・コミュニティがキーワードですが、コミュニティ感覚を豊かに養うためには、やはり、それを体現する教師が重要になります。当たり前のことですが、人間が人間を育てるからです。
宗谷・環オホーツク海の深い景観に魅入られたプロカメラマンが稚内北星学園大学で撮影技術を教えます。また、幌延町で研究を進めている産業技術総合研究所の研究員が、地球環境学を、稚内水産試験場の研究者たちも、生物学や海洋生態学を教えるために稚内北星学園で教鞭を執ります。さらに、稚内市内で活躍するさまざまな人が、それぞれの現場から「社会のいま・ここ」を伝えるため本学の教壇にたちます。
このように、研鑽を積んだ本学の教授陣と現場で積み上げられた経験が、しっかりと手を携えて稚内北星学園大学が切り拓いた情報メディア学の新しいステージを創造します。
