平成14年度第3回宗谷支部高等学校教頭・特殊教育諸学校教頭研究協議会

 

メディア環境の変化と若者文化

――「稚内市における高校生のメディア利用に関する調査」を手がかりとして――

20029月9日

張江洋直(稚内北星学園大学)

1.日常的なコミュニケーション・ツールとしての携帯電話

稚内市における高校生のメディア利用に関する報告」結果参照(48-49頁)PDF.

・「携帯電話の保有状況」男子(30.7%)、女子(51.5%)

・「自分にとって大切なメディア機器」→第2(71.1%)

・「携帯電話とメールの利用」→1日に数回以上メール送信」(85.6%)

「心理的不安の解消」のためにも利用されている。

 

2.携帯電話とはなにか

*携帯電話はたんなる「電話」ではない。だが、もっとも「電話らしい電話」である。

・電話(会話)機能+メール機能(ネット端末機としての機能)

「完成された」パーソナル・メディア

 

3.携帯電話の存立機制

*〈電話〉の歴史的存立機制――パーソナル・メディアの成立ち

・認知空間における〈電話〉

電話の社会史………電話の戦後史(〈外部〉から〈内部〉へ)(吉見・若林・水越[1992]

 

*電話の社会的なメディア特性→「脱中心化」

「電話が社会にもたらしたもっとも意外な影響は、赤線地帯を廃止しコールガールを生み出したことだ。……電話があらゆる仕事から中心というものを消失させ、特定地域に限られた売春のみならず、そもそも位置や場所を争うということそのものを終結させる力をもつ」(McLuhan[1964=1987:274])

 

個人化する家族

・諸機能の外部化(近代化の展開と並行関係)

・「出生動向基本調査」……結婚の利点=「精神的な安らぎ」(38%34%)

・「やすらぎ規範」(直井道子)=「ホテル家族」(小此木敬吾)

 

4.「若者文化」の動向

*チャットや掲示板にみられる「身体的な分節化

*個人化と共同性→「つながること」への希求

・携帯電話は個別の身体を基点として成立している。

「大人になること」への躊躇→社会構造の問題.Ex.「成熟の無効化」

 

文献

McLuhan, M.  1964  Understanding Media, McGraw-Hill.[1987]栗原裕・河本仲聖訳『メディア論』みすず書房.

直井道子 1993『高齢者と家族 新しいつながりを求めて』サイエンス社.

津田 治  2002 PDF.稚内市における高校生のメディア利用に関する調査報告『稚内北星学園大学紀要』No.2、47-62.

吉見俊哉・若林幹夫・水越伸[1992]『メディアとしての電話』弘文堂.


[戻る]