2.2 ネットワークとTCP/IP

詳しい話に入る前にもう少し一般的な話をしておきます。通常我々は ネットワークという場合非常に広い意味で使っています。例えば、 被災者救援ネットワークというようなコンテキストで使う場合は、 人間組織としてのネットワークという意味で利用しています。しかし、ここで 問題にしているネットワークは具体的には情報機器を相互接続した ネットワークという意味です。もっと簡単には相互接続された 実体全部を指してネットワークと呼んでいます。つまりは、このネットワーク という言葉で重要になってくるのは、相互接続のための言語、あるいは 接続方法、専門的にはプロトコルが問題となってくるのです。何故ならば、相互 接続されても、相互通信が出来ないのならばそれはネットワークとは 呼べないからであり、ネットワークという限り相互通信が可能である 事を意味しているからです。勿論、相互通信が可能であればその 方法がどんなものでもネットワークと呼ぶ訳であり、実際に様々な 情報ネットワークが過去には存在していました。しかし、今日ではそれらの 多くはインターネット上のプロトコルであるTCP/IPとの闘争に 敗れ、かえりみられなくなっています。これは一言で言えば、普遍性を 巡る戦いに負けたからと言えますし、ネットワーク技術も(むしろネットワーク 技術だからと言うべきか)、普遍的、オープン技術へと シフトしていった結果であると言えます。一方、携帯電話自体などはまだ 独自の通信技術の世界にあります。電子メイルは確かにインターネットと 相互にやりとりが出来、i-mode ではWebへもアクセス出来ますが、携帯自体 はインターネットに直接接続されている訳ではありません。とは言え、 IP電話と同じように携帯もTCP/IPの上でのデバイスへと変化して行くでしょう。

ここまでインターネット上のプロトコルとして TCP/IP を紹介してきましたが、 実は TCP/IP は一つではなく、複数のプロトコルからなるプロトコルのファミリー を総称して TCP/IP と呼ばれています。詳しくは各々の項で説明をしますが、 主には以下のようなプロトコルから構成されています。

  1. Transmission Control Protocol (TCP)
  2. User Datagram Protocol (UDP)
  3. Internet Control Message Protocol (ICMP)
  4. Address Resolution Protocol (ARP)
  5. Reverse Address Resolution Protocol (RARP)

なお、現在のインターネットで利用されているプロトコルには多くのものが あります。そうしたものも含めてインターネットは動いているのですが、 TCP/IP は最も基盤となるプロトコルであると言えます。



Noriyo Kanayama