9.5 組織とセキュリティ

これまでの議論でも明らかになった事は、当初述べたようにセキュリティは単なる 技術の問題ではありません。むしろ技術的な解決は簡単に破られます。どんな 高度な技術も、人間が介在する限り、人間的な弱点により崩壊するという側面を 持っています。そして、全ての人間は常に間違いを犯すという事を考えるならば、 セキュリティは優れて組織の問題であると言えます。そして、組織的な保証は、 単なる制度や技術に止まらず、個々人の意識によって支えられるものであり、 そういう点では教育を忘れてはなりません。また、そのような全ての努力にも関わらず、 現実にはセキュリティは破られる可能性が常にあることも肝に命じておく必要 があります。よりクリティカルな業務であればあるほど、単に肝に命じるだけ ではなく、そうした事態を想定し備えておくべきでしょう。とは言え、可能性の 影に怯えて、過剰な想定は無用なコストを招きますので、結局はコストに見合った セキュリティを考えることが重要です。



Noriyo Kanayama