3.2.2 CSMA/CD

物理層では Ethernetの物理的な側面について述べましたが、ここでは上位の層に 関連する部分について取り出しましょう。特にここで重要なのは、Ethernet は同じ銅線を共有するという、共有型のネットワークであるという点です。 従って、その通信のための仕組みも共有型を前提にして考えられています。

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共有されたネットワーク上で、通信を確実に行うための通信モデルの一つが CSMA/CD方式です(Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection)。 Ethernetは CSMA/CDを採用しています。 CSMA/CDは簡単に言えば、井戸端会議方式だと言えます。つまり、みんなで ワイワイガヤガヤと話をするような方式なのです。しかし、そうは言っても、 二人が同時に喋ると何を言っているのか良く分からなくなります。従って、 あるルールを定めています。そのルールを簡単にまとめると、下のように なります。

ここで、ネットワーク上で聞き耳を立てるというのは、全てのパケットを 監視するという意味です(Carrier Sense)。 会話がぶつかるという例えは、Ethernetでは 信号が衝突して(Collision Detection) 理解できないような信号になることを指します(電磁波を 使うと波なので重ね合わさってしまうのです)。共有型ですから、監視を することも、監視をしていれば衝突したかどうかも分かりますね。 最後に、一定時間黙る場合に、衝突をした相手と同じ時間だけ黙ったので は、もしかすると再び衝突するかも知れません。そこで、衝突回避の確率 を高めるために、黙る時間は一定の範囲内で乱数で決めます。勿論、それ でも衝突する場合はありますので、その場合には更に長い時間沈黙した上 で、話そうとします。ちなみに、Multiple Access とは、このように誰が 優先でもなく、平等にアクセス権限を持っていることを意味しています。

このように、CSMA/CD方式では衝突を避けることは出来ず、衝突後如何に うまく回避するかということに重点をおいています。従って、うまく回避 出来ないほど混み合って来ると、必然的に通信効率が落ちていきます。 これは簡単には、いくら通信しようとしても必ず誰かが話しているし、 うまく割り込んでも必ず衝突が起こってしまうような状況になると考えれ ば良いでしょう。このように、元々のEthernetでは通信効率は30%程度が 良いところで、通信量が帯域の50%前後を越えると極端に効率が悪くなる ことが知られていました。ところが、ツイストペアケーブルとスイッチに よる、全二重で衝突のないネットワークが実現することで、帯域は一気に 理論限界に迫るようになったのです。



Noriyo Kanayama