3.3.3 IPアドレスの階層

データリンク層や、この節のセグメント間の通信で出てきたように、 IPアドレスの中にセグメントを区別するための仕組みが入っています。 これは一般的に考えると、住所構造という問題として考えられます。 例えば、私たちが通常使っている住所の構造は、 木のように枝分かれしていくような構造を持っています。こうした 仕組みは大量のデータを分類する上では非常に優れた方法です。 実際、このような構造は情報 科学では、ツリー構造として知られており、近代的なOSではファイルシステム に使われていますし、後に紹介するDNSと呼ばれるインターネット上の 名前の構造でも利用されています。このように優れた方法ではありますが、 当然それを処理するにはある程度のコストが必要となるために、IPアドレス のようなパケットの配送過程で何度も参照されるようなものに大量に導入する と処理上の問題も出てくるので、IPv4では非常に単純に、2つの階層のみ を導入しています。このようなIPアドレスの構造については後の章で詳しく 見ることにしますが、ここではその2層の構造は次のようになっている ことを知れば十分です。

              ネットワーク部       ホスト部

例えば、202.11.100.1 というアドレスは、202.11.100 がネットワークを表すネットワーク部であり、最後の8bit の 1 が そのネットワークの中の個別のホストを表すホスト部になっているのです。 データリンク層や、セグメント間通信で出てきた、同じネットワークか否かの 判断は、このネットワーク部が同じであるかどうかによって判断していた という訳なのです。しかし、このネットワーク部が何bitあるかというと、 中々面倒な話になっているので、それについては次の章で詳しく説明する ことにしましょう。



Noriyo Kanayama