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2.2.1 集約可能なグローバルユニキャストアドレス

インターネット上で使われるユニキャストアドレスを、IPv6では集約可能な グローバルアドレス(Aggregatable global unicast address)と呼びます。 その構造のポイントは、全半64bitをネットワークのトポロジーを表すために使い、 後半64bitをインターフェースを表す(インターフェースIDと呼ぶ) ために使う点にある。つまり、ネットワーク のアドレスは64bit固定になっている。

\epsfile{file=agg-v6-addr0}

このプレフィックスに対する考え方に関して、近年以前の考え方から 変更があったので、注意が必要です。とは言え、ここでは最初の考え方 に基づいて説明し、その後それがどのように変更されたかを説明することに します。

当初においてはプレフィックスには、 ネットワークトポロジーが階層的に導入されており、 上から順に TLA(Top-Level Aggregation), NLA(Next-Level Aggregation), SLA(Site-Level Aggregation) が考えられました。 つまり、ネットワークの階層的な構造(例えば、アジア地域の中で割付を行い、 その割付を受けた、例えば日本のISPが再び顧客に割付を行うような階層)を ある程度固定的に考え、それをプレフィックスの中の構造として持ち込む訳です。 但し、実際には、NLA は複数に分割することが出来、その場合には 上位から順に NLA1,NLA2,... と表す。

この階層構造を含んだアドレスフォーマットは以下の通りである。

\epsfile{file=agg-v6-addr,scale=0.7}

なお、TLA,NLAを合わせてパブリックトポロジーと呼び、SLAをサイトトポロジーと 呼ぶが、これはIPv6ではどのサイトにも最低 /48 を与えることを考えているから である。一方、勿論、これらの境界は絶対ではなく、上位から /44 を与えられる ような場合も存在するだろう。

但し、現在のIPv6アドレスの割付は徐々に進行しているために、最初からTLAを すべてに分割するのではなく、TLAとNLAの中間を作り、それがなくなるまで当面の アドレスを割り振る方向で以前は考えられていました。

\epsfile{file=agg-v6-addr2,scale=0.7}

ここで、先頭の3bitはフォーマットプレフィックス(あるいは、 グローバルルーティングプレフィックスと呼ばれる)と言い、集約可能な グローバルユニキャストアドレスは必ず(001)に決められている(本書では 二進表記は必ず( ) で囲むことにする)。

従って、先頭4bitは (0010) あるいは (0011)となるので、2 または 3 と なり、集約可能なグローバルアドレスは以下の2つのみである。

               2xxx::/3
               3xxx::/3

従って、先に出てきたアドレスは先頭4bitを見るだけでグローバルな アドレスと分かるのである。

     2001:2f8:43:a000:200:39ff:fefe:1984

これらのアドレスの割り振りは、IANA(Internet Assigned Numbers Authority) が最上位に位置し、次に、IANAから地域インターネットレジストリ (RIR: Regional Internet Registry)へと割り振られる。RIRは例えば、 アジア太平洋(APNIC: Asia Pacific Network Information Centre)や、北米のARIN などの4つの管轄に分けられているが、日本などはAPNICから権限を委譲された JPNICが管理を行っている(NIR: National Internet Registry)。更に、こうした RIR,NIRからISPなどのLIR(Local Internet Registry)へのアドレス割り振りがあり、 最終的にISPが顧客にアドレスを割り当てるようになっている。以前においては、 この割り振りの大きさが比較的に固定であったが、現在の管理ポリシーでは、 RIR毎に自由に決められる(RIRで独自に決める)ので、TLA,SLAなどの区別は 既に固定的には出来なくなっている。しかし、実際にはAPNICなどの割り当て方針 には変更はないので、大体以前の割り当てルールに沿っているようであるが、 用語は廃止されている。

例えば、SINETでは、2001:2f8::/35 で以前は割り振られていたが、方針変更に 伴い規模によっては/32での割り振りも可能になったために、2001:2f8:/32へ と拡大している。

\epsfile{file=agg-v6-addr-RIR,scale=0.7}

ここで重要なのは、階層毎のサイズは固定されていないが、論理的な階層構造は 保たれている点である。特に、この階層構造におけるアドレスの割り振りは、 IPアドレスが公共的な資源として認識されている点にあり、IPv6ではアドレスは 所有物ではなく、借り物であるという点にある。また、エンドユーザへの割り当て は基本的には /48で行われるべきであることも明記されているので、特殊なISPで /64を行わない限り、16bit分のネットワークアドレスは所有できるようになって いる。



Noriyo Kanayama