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8.1 OSPFの概略

リンク状態(Link State)型のルーティングプロトコルは非常に複雑であり、 距離ベクトル型ほど簡単ではありません。ここではOSPFの概略を理解する ために簡単な説明を試みることにします。リンク状態型の基本は、データベース にあります。何故ならネットワークの構造がそこにあるからであり 、従ってリンク状態型はそのデータベースを常に現実のネットワーク状態を 反映するように更新し、維持しなければなりません。これは、ある接続が 切断した場合や、復帰した場合のみならず、あるルータがダウンし、 復活した場合のデータベースの再構築を考慮していなければならないことを 意味します。こうしたデータベース全体を常に交換するのは当然非効率的 ですので、OSPFではこのデータベースをリンク状態広告 ( LSA: Link State Advertisement) という要素に分解して、このLSA を 交換する事でデータベースを最新に保ちます。LSAの集合で あるデータベースはリンク状態データベース (LSDB: Link State Database)と呼ばれます。

データベースが常に最新であるならば、経路はそのデータベースの中の情報を 元に最も低いコストの経路を計算して得ることが出来ます。このコスト計算に 用いる方法がShortest Path First(SPF) というアルゴリズムであることから、 OSPFの名前が由来しています(IGPのような名前でないもう一つの理由は、 IS-ISとの競争にあったようです)。RIPとは違って、OSPF ではコストは 正の整数であれば良いだけなので(2byte)、ネットワークの早さや帯域などを 考慮してコストを決める事が出来ます。つまり、ホップが長くても、より 早い経路を選ぶような事が可能なのです。但し、コストの定義は人間がしなけれ ばなりません。コストが同じ場合には、ロードバランスが可能です 。 また、理論的にはコストは双方向に対して同じでなくても構いません。 従って、A から B へのコストと B から A へのコストが異なっても OSPF では全く問題はなく、それによってパスが往路と復路で異なる事も 容認します。勿論、こうした設定は管理者としては非常に面倒なこと なので、わざわざそのような設定をする管理者はいませんが。

以下ではもう少し詳しく LSA について見た後に、OSPFを構成する ネットワークについて見ることにします。





Noriyo Kanayama