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8.2 マルチキャスト

ブロードキャストセグメントではマルチキャストはブロードキャストと非常に 良く似ています。単なるスイッチは、マルチキャストを全てのポートに対して 流します。ブロードキャストと異なるのは、自らが参加していないマルチキャスト アドレスはTCP/IPスタックが廃棄する点にあるだけです。一方、高級なスイッチ やルータで構成されたネットワークでは、マルチキャストを扱うための特別な 仕組みが用意されています。その役割は、マルチキャストアドレスに参加して いないホストには、本当にパケットを流さないことにあります。一方、 あるマルチキャストに参加しているホストには、そのホストがブロードキャスト ネットワークに参加しているか否かに拘らずにマルチキャストパケットを 流すようになっています。 このような機能は、実際には2つの構成部分から成り立っています。一つは、 IGMP(Internet Group Management Protocol)であり、今一つはマルチキャスト ルーティングプロトコルです。

IGMP は通常のネットワーク構成では、L2スイッチとL3スイッチの共同によって 動作してます。L2スイッチでマルチキャストグループへの参加・離脱を監視し、 その結果をL3スイッチに報告します。L3スイッチはマルチキャストパケットが ルーティングされているのならば、特別な受信者のグループを作り、そこに マルチキャストを流します。従って、通常のIPのネットワーク構成とは無関係 に、物理的なネットワーク構成(とは言え、L3のレベルという意味ですが)に 基づいてマルチキャストは流されます。従って、OSPFを扱う場合には、 単なるスイッチを利用しているマルチキャストとブロードキャストが区別されない ようなネットワークならば問題ありませんが、そうでないような場合や、 マルチキャストは別個に制御している場合には注意が必要です。

マルチキャストルーティングプロトコルは、他のルーティングプロトコルと 非常に正確を異にしています。その理由は、通常のルーティングでは、 あくまでもパケットの宛先IPを元にルーティングするための情報を交換すれば 良いのであるのに対して、マルチキャストルーティングでは宛先は 224.0.0.0/4 の同一グループ宛になっているために、受信者グループの管理を最終的には 含んでいる点に あります。従って、AllSPFRouters(224.0.0.5)に参加しているホストは直接的 には IGMPで管理されますが、そのホストへとマルチキャストが配信される よう保証するのはマルチキャストルーティングプロトコルにあります。これは、 逆に言えば、もしOSPFルータがマルチキャストルータに登録されていたならば、 マルチキャストで流された LSA は全てそのマルチキャストに参加している ルータに、つまりはマルチキャストルーティングの及ぶ限りのルータに届け られるという事を意味しています。もしも、到達したLSAが区別出来、 破棄されるならば問題はありませんが、そうでないならば非常に厄介な状況へと 陥るでしょう。



Noriyo Kanayama