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8.3 OSPFのネットワーク構成

OSPF はネットワーク全体を知る事で早い収束性を実現していますが、 当然ネットワークが大きくなると、そのリンク状態データベースは 巨大なものになってしまい、逆に非効率となる恐れがあります。そこで、 ネットワークでは良く行われる階層的なルーティングがOSPFでも導入されて います。これによってCPUやメモリのリソースの効率的な利用を計っている のです。さて、当然、このような階層的なルーティングをOSPF でサポート するためには、OSPFの概念自体にそれを導入する必要があります。 このための基礎概念がエリアです。エリア内部ではLSAは フラッディングされますが、エリア外部にはされません(Router LSAや Network LSA)。その代わりに、 Summary LSA というLSAが作成され、これが外部へと伝達されます。 エリアは 32bit のエリアIDによって区別されますが(IPと同じように、 1byte づつ区切って x.x.x.x のように記述しても、整数で表記しても 構いませんが、習慣的にはIPのように表記しています)、0.0.0.0のエリア だけが特別なエリアで、バックボーンと呼ばれます。全てのエリアは 論理的にはバックボーンに直接つながっていなければなりません (図 8.3)。

図 8.3: OSPF Network
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\epsfile{file=ospf-net,scale=0.7}
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それぞれのエリアは、エリア境界ルータ(ABR: Area Border Router) によって接続されます。従って、エリア境界ルータは常に2つ以上のエリアに 所属するインターフェースを自身に持ちます。 そして、エリア外部に対して Summary LSAを流すのはエリア境界ルータ の仕事ですし、 ABRが別のエリアへの最良のパスを探すことになります。

同時に、OSPFが IGP である以上、外部との接続について考慮する必要 があります。つまり、静的あるいはBGPなどによって設定される 外部へのルーティング情報をOSPFで管理するエリア全体に流す必要が ある訳です。このような外部と接続されたルータをAS境界ルータ(ASBR: AS Border Router)と呼び、AS境界ルータがOSPFのエリア全体に対して、 外部接続情報(AS external LSA)を流すようになっています。 つまり、これもエリア全体に流される特別なLSAになっています。 (最低でも一つのAS external LSAが取り込まれていなければ外部へと 接続できない事になります。)

  1. AS 自律システム(Autonomous System)

    企業、大学、あるいはプロバイダーのような単一の組織で運営されている ネットワーク単位をASと言います。従って、インターネットはASの集合で あると言えますし、同時にASは階層化されてインターネットを形成して いるとも言えます。





Noriyo Kanayama