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8.3.1 バックボーンとエリア

OSPF では、必ず一つのバックボーンがあり、全てのエリアはこのバックボーン へと繋がっていなければなりません。その理由は、バックボーン0に1,2の エリアがあるような場合、エリア1 の内部へのルーティング情報は、エリア1 のABRのSummaryLSAを使ってエリア2のABRへと伝達されるからです。もし、 エリア2 の背後にエリア3 があったとしても、その経路情報はバックボーンには 伝達されません。

図 8.4: 仮想リンク
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従って、エリア3が直接バックボーンに繋がっているかのように見せかける 仕組みが別に用意されています。これが仮想リンクです。仮想リンクを 使うとエリア3のルータR3は SummaryLSAをR1への仮想リンクを使って、 バックボーンに流す事が出来、 それによってエリア2などのルータもエリア3を知ることが出来るようになります。 (但し、コスト計算は別にきちんと行われます。)

このようにエリアに分割することで、LSDBの大きさを小さくし、より効率的に する事が出来ますが、良く考えればすぐに分かるように、これは全てのネット ワークの状態をOSPFルータが知っているという事からは少し外れてしまいます。 実際先の例では、エリア2 のルータR2 は、エリア1の内部の詳細や、エリア3の 詳細は知りません。何故ならば、それに関する Network LSA も Router LSA も流れて来ないからであり、知り得ることは Summary LSA のみだからです。 従って、エリア間に関してはOSPFは実は距離ベクトル型として動いている事に なります。バックボーンに関するOSPFの制約はここに起因しています(必ずエリアが バックボーンに接続されているという要請によってRIPのような問題の発生を 抑制している訳です)。 このような訳ですから、OSPFの管理領域をエリアに分けるべきか否かは実は 非常に難しい問題です。全てが一つのエリア(つまりはバックボーン)ならば、 OSPF本来の有利さを発揮出来ますが、効率が落ちます。ただ、一つ言えるのは、 '90年の前半でエリア一つにつき200台以下であった方が良いという議論や、 メーカによっては数十台以下にと言った話があった事に対して、今の能力を 持ってするならば、大抵の場合ではエリアを分割する資源能力での必要性は ないのではないかと思えます。 但し、エリアに分割する利点はもう一つあります。それはエリアに分割する 事で、そのエリア内部の管理責任を分割出来る事です。これは実際に、ある エリア内部の問題は Summary されることにより、外部に伝播しづらくなり、 分割統治が可能になります。但し、これもOSPFv3では複数のOSPFを動作させ、 それらが接点を持つようなモデルも可能になっていますので、どちらを取るのが 最適かはまだ議論が残っていると思われます。



Noriyo Kanayama