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9.1 BGP概略

BGP は、先に説明したように距離ベクトル型のアルゴリズムを採用しています が、経路情報にその経路情報が通ってきたパスの情報を追加するので、 パスベクトル型のアルゴリズムとも言われています。 BGPは RFC1771にその基本機能が、RFC2545,2283に拡張機能(IPv6などへの対応)が 決められています。

BGPがBGPの情報を交換する 際に重要な概念として、自律システム(AS: Autonomous System)があります。 ASは単一の経路ポリシーを持ったネットワーク組織と解釈されています。ASには、 いくつかのルータがあり、ASは他のASと境界ルータ(BR: Border Router)によって 接続しています。BGPは、こうしたAS同士が自らのポリシーや、両者の合意に 従って経路情報を交換し、パケットを転送するために作成されています。このために、 複数のASが接続されていた時に、お互いのAS間の情報はやりとりしても、他のAS の第三者のASへの通信が自分のネットワークを途中経路として利用するような、 言わば通過(transit)を許可しないようなポリシーを定義することが出来ます。

BGPでは信頼性のある方法で情報交換を行うために、TCPを用います(port179番)。 このことは、BGPルータは非BGPルータを越えてBGPのメッセージを伝達できること を示しています。また、TCPで提供される全ての信頼性を享受できるので、BGPが 独自に提供するのは、相手の生存を確認すること(KeepAlive)や、エラー時の 伝達だけ(Notification)で済みます。一方、BGPはBGPルータ間の情報伝達を 行うために、情報伝達を行うと決めた隣のBGPルータ(ピアリングと言う)全てとBGP セッションを張る必要があります。このピアリングを張ったルータ間をBGPメッセージ が、それぞれのBGPルータの情報が付加されたり、他の情報とマージされて、 伝達されていきます。そうした意味で距離ベクトル型のアルゴリズムを採用して いますが、同時にそのパス情報の中に様々な属性と呼ばれる値をエンコードする ことにより、BGPではポリシーに従った経路選択や、ループの排除、通過の許可 などを行えるようになっています。

パス情報は、それぞれのASの番号(2byte)の順序列、あるいは集合で構成されます (何故集合がこの情報に含まれるかは後で説明します)。

BGPでは伝統的に特別な用語がいくつかあるので、それを先に解説しましょう。



Noriyo Kanayama