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1.1 ネットワーク管理にあたって

管理はつまるところネットワークとシステムの管理にしぼられますが、 基本的にはネットワーク管理は全体に関するもので、システム管理は単体の サーバに係わるものと考えれば良いでしょう(後でもう少し詳しく述べます)。

しかし、その前に、管理とは何かという事について一度考えていただきたいと 思います。「管理」という言葉は、どちらかと言うと、上からの強制的なイメージ があります。勿論、ネットワークやシステムにおいてもそうせざるを得ない場合も ありますが、そうした場合にあっても本質的にはユーザー全体のために必要である からでしょう。従って、管理に携わる者のもっとも重要な視点は、ユーザーが ネットワークやコンピュータシステムの構成によってどのような利益を、あるいは 不利益を被るのかと言う点にあります。 実際、能力的には非常に高く、システムやネットワークに 関する知識も豊富であるにも関らず、自分の趣味を押し付けるような管理者も 見聞きします。誰のためのものか、という視点を常に持って管理にあたるのが 優れた管理者の第一要件でしょう。

第二に、管理者はともすれば日常の様々なトラブルや業務に追われてがちな事です。 また、完全主義に陥るのも考えものです。目先の小さな問題を解決しようとして、 本質的な解決を考える時間を失うからです。管理者の時間は貴重なものなのです。 様々な新しい技術や理論を学び、より良いシステムを構築し、現状を本質的に打開する ために考える事は決して他人がやってくれる訳ではありません。今現在、 管理しているネットワークやシステムについてもっとも詳しく、ユーザーの希望を 把握しているのはその管理者なのです。ネットワークやシステムはそういう意味で、 一つとして同じものはないのですから、常日頃から知見を広げ、問題点を把握する ことが重要なのです。

第三に、システムやネットワークを設計・維持する上では単純さを保つように心掛け なければなりません。複雑な構成はそれだけでトラブルの元です。そして、そのことは 上に述べた管理者の時間を自ら奪う結果になります。矛盾するようですが、個々の ネットワークやシステムの独自性を追求しつつも、それを実現する上ではもっとも 単純かつ標準的な解決を目指すべきなのです。

以上の事を念頭に置いた上で、管理者の役割について次節から少し詳しく 見ていきましょう。



Noriyo Kanayama