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2.5.2.1 サブネット

先に述べたように、例えば、クラス C のサイトならば先頭の 24bit がネットワークアドレスで、残り 8bit がホストID になりますが、 実際上一つの物理的なネットワークに 254 台を接続するのは稀です。 そのために使用されないアドレスが生じます。 また、 一つのネットワークに多くのマシンを接続しない理由として、 ブロードキャストストームが上げられます。 こうした事態をさけるためには、ネットワークを分割する必要がありますが、 先に述べたように IP アドレスを浪費せずに分割をしたいものです。 このような要求に応えるためのものが、サブネットと呼ばれる方法です。 例えば、クラス C のネットワークを4つに分割する事を考えます。 すると、ネットワークアドレスは、24bit ではなく、更にそれを4つに分ける のですから、$4=2^{2}$ の 2bit 余分に必要ですので、24bit+2bit=26bit をネットワークアドレスと見なすのです。この 2bit 分を サブネットマスクと呼びます。十進表記だと、202.11.100.0 の ネットワークの最後の 1byte の頭 2bit をサブネットマスクに取るので、

\begin{displaymath}11000000(ニ進数)=2^{7}+2^{6}=192\end{displaymath}

がサブネットマスクになります。従って、全体の ネットマスクは 255.255.255.192 になる訳です (先頭の 3byte は全てマスクするので、 $11111111(ニ進数)=255$ )。 しかし、サブネットはあくまでも配布されたアドレスの分割であって、 他からみれば、一つのネットワークであることに注意してください。

ネットワークとネットマスクの対応関係は、FreeBSDでは /etc/networks に格納されて います。

  1. Classless Inter-Domain Routing (CIDR)
    CIDR では、このサブネットを一般的にドメイン間の routing に拡張し、 同時にネットマスクを一定程度可変に取り扱えるようになっています。ネットマスクの 表記においては、従来 202.11.100.0/255.255.255.192 と書いていたものは、 202.11.100.0/26 と書きます。この場合、ネットマスクに 26 bit 使うという意味です。また、識別出来る限りにおいて、クラス C 以下に分割したネットワークを更に 分割する事ができるように、ネットワークの識別では最長一致をとります。 逆に、クラス C が複数必要なサイトに対しても、この CIDR を適用することで 対応が可能です。 CIDR は、IP の枯渇とともに、routing 情報の肥大化に対する現状での対応策であると 言えます。

  2. IPv6
    一方、こうした IP 資源の枯渇に対して根本的に解決するための方向が IPv6 です。 IPv6 では、現在 32bit の IP address が 128bit に拡張されます。日本では、 いくつかのISPなどがIPv6への正式対応をしつつあり、徐々にIPv6ネイティブの ネットワークができつつありますが、かなりの期間はIPv4とIPv6が混在した 状況が続くと考えられています。 ヘッダーは、現在使われていないものなどを廃止することで、 現在の2倍程度の大きさに収まっています。 細かいプロトコルなどもほぼ決まり、 様々なOSに実装が進んでいますが、実装によってはばらつきがあるようです。

    IPv6 のグローバルユニキャストアドレスの内で、もっとも重要なのは 集約可能グローバルユニキャストアドレス(Aggregatable Global Unicast Address)です。 この形式では、先頭の64bitがネットワークアドレス部に固定されており、 ホスト部が残りの64bitになります。当初の割り当て規則では、 ネットワークアドレス部は更に、 TLA(Top-Level Aggregation), NLA(Next-Level Aggrecation), SLA(Site-Level Aggregation)に分かれており、ネットワークトポロジーを反映する形に なっています(詳しくは先頭にアドレス形式を示す001が入り、TLA,NLA,SLAに それぞれ13,24,16bitが割り当てられ、8bitの予約領域がある)。 この規則は現在ではより柔軟な方針へと変更されており、TLA/NLAという呼称は 過去のものとされましたが、実際には慣例的にこの名称を使っている場合も あります。新しい規則では、RIRなどの地域レジストリ(世界は5つの地域レジストリ に分かれる)がアドレス割り当てを行い、通常 LIR(ローカルインターネットレジストリ)/ISPへの最小割り当ては/32で行われ、 個々のサイトへの割り当ては通常/48で行われます。従って、SLAは新しい規則でも 有効ですが、先に述べたように、LIR/ISP への割り当てが/32であるために、これをNLAとして記述している場合や、 /32 より下を分割して、それ故に NLA1,NLA2 という呼称がされている場合も あります。 いずれにせよ、IPv6ではIPアドレスは所有するものではなく、貸し与えられた ものであり、割り当てられた階層構造のどこに位置するかを示すものです から、接続先を変更すると必ずIPは変えなければならないという不自由さ がありますが、 これによってCIDRが目指したのと同じように集約(aggregation)が可能となり、 ルーティングが簡素化されます。

    v6 のアドレスはv4とは違い、16進で2byteづつをコロン(:)で区切って書きます。 0が続く場合には一箇所のみ省略して(::)と表記することが出来ます。従って、 グローバルなアドレスは以下のように表記されます。

                  2001:2f8:43:1000:290:27ff:fe51:c128
    
    ローカルなアドレスだと以下のようになります。
                  fe80::::290:27ff:fe51:c128
    



Noriyo Kanayama