通信データの量を考慮したページの設計

インターネットを快適に使うためにはデータの転送能力を計算の上、 ページのデザインを考えるようにすべきです。


情報の通信量を測る単位

デジタル化された情報はビット(bit)やバイト(byte)と呼ばれる単位で扱われることは、 皆さんも知っているでしょう。 ネットワークで問題になるのは、これらの情報を決められた時間に どれだけ転送できるかということです。
たとえば、1秒間に1Kbit(キロビット=1024ビット)の情報を 送ることができるネットワークがあったとすると、 このネットワークは 1Kbs(キロビップス)の能力があると言われます。 現在この大学がインターネットで北海道大学との間を結んでいる線は、 最大 128Kbs の情報の通信が可能です。 あまり馴染みのない単位なので実感がつかみにくいかもしれませんが、 1文字の情報を1〜2バイトとして考えると、 1秒間に約10000文字程度まで送ることができるのスピードです。
また、この大学の内部でマシン間をつなぐイーサーネットの能力はずっと大きく、 約10Mbs(メガビップス)程度の通信まで可能です。 これは1秒間にフロッピーディスク1枚分のデータを送ることができる能力です。
LANの幹線部分の光ネットはそのさらに10倍程度の能力があります。 そして、来年度導入予定の ATMになるとそのさらに数十倍の転送速度を 実現することが可能です。


なぜ膨大な通信能力が必要か?

上に述べたような情報の転送速度は気が遠くなるようなスピードですね。 しかし現在のネットワーク技術は、さらに高速な装置をめざしています。 実際みなさんもインターネットにアクセスしてみて、 「インターネットは遅い!」という印象を持ったかもしれません。
その理由は、 現在のインターネットなどの通信網が「マルチメディア化」しているからです。 もし仮に電子メールのような文字の情報のやりとりだけを考えてみれば、 通信量はたいしたことはありません。 電子メールのデータはせいぜい数百文字ですから、 先ほど説明した稚内北星と北大を結ぶ通信線でも、 ほんの瞬時で転送は終了します。
ところが、画像や音声のデータとなると話が変わってきます。

上の絵のデータは圧縮された後でも 2300バイト(19キロビット)のサイズがあります。 これだけで通常の電子メールの10倍もの通信量が必要なわけです。 さらにサイズの大きな写真や、音楽、ビデオ画像などのデータは メガバイト単位のサイズがあり、 128Kbs の回線をフルに利用できたとしても1分程度の転送時間がかかります。 現実には通信は生のデータ以外にも通信をコントロールするための情報を送信する 必要があり、しかも1人の人が回線を独占的に使えるわけではありません。
たとえば100人のユーザーが全く同時に巨大な画像データを送ろうとしたりすると、 ちょうど連休中の高速道路のように渋滞が発生し、 ネットワーク回線はたちまち麻痺状態となります。


通信の「ボトルネック」の考え方

「ボトルネック」とは瓶の口の細くなった部分という意味です。 もの(あるいは情報)が狭くなって通りにくくなる部分を指します。 高速道路で言えば料金所やトンネルの出入口などが、 まさに「ボトルネック」です。 ネットワークでは、 通信の経路の中で一番通信能力が低く、弱点となる部分と考えてくれれば いいでしょう。
実は通信の能力を決定するのはボトルネックの部分です。 他の部分がいくら速く処理されても、 結局ボトルネックの部分で止まってしまうからです。 これはとても重要な事実で、 このことを忘れてしまうと快適なネットワークの環境は実現できません。

みなさんが学内で自分のホームページを見る時には、 大きな画像や音声データを送っても通信の遅れはほとんど気にならないでしょう。 それは学内のLANは高速のイーサーネットで結ばれ、 ボトルネックがないからです。 ところが、学外の人がみなさんのホームページを見る時には、 稚内までやってくるための通信回線がボトルネックを作ります。 もし巨大な画像データや音声データがふんだんに使われていると、 相手にとってはかなりのイライラの原因になるでしょう。 特にそれらのデータがたいした意味を持たないものだったとしたら、 大変な不快感を与えることにもなりかねません。 十分注意をはらってください。