1-1: Java言語の歴史


・ Javaのプロジェクトが Sun Microsystems社内部でスタートしたのは、 1991年のことだと言われています。 現在のようにインターネットと強く結びつく形で完成されたのは 1994年の秋、 Sunがそれを正式に発表したのは 1995年5月のことです。
このJava言語の最初のリリースで、 Javaのアプレットの表示を行う最初のWWWブラウザ HotJava と JDK(Java Developers' Kit) のαバージョンも併せて提供されました。 (その後、Java Development Kit という呼び方が正式な呼び名になりました。 そして現在では JDK1.2を Java2 という名称に変更されています。 ただしバージョンを示すにためには、JDKという名称の方が都合がいいため、 以下の解説でも JDK1.2.1 というような呼び方をしばしば用いることにします。)
JDKは、Java言語でプログラムを開発するために最低限必要となるコンパイラ、 デバッガなどのツールや Javaのプログラムを実行するための 「Java仮想マシン(Java Virtual Machine)」を提供します。 また JDKは Java言語の「標準」となるクラスライブラリも併せて提供しています。 近年は GUIベースの開発ツールも多数登場してきましたが、 そのすべてが JDKのクラスライブラリを基本に置いています。 つまり JDK によって Javaプログラマーに世界共通の開発環境を利用している ことになります。
さて Javaは未だ完成途上の言語であったにもかかわらず、 世界中のプログラマーの注目を集め急速に普及しました。 1つのプログラミング言語が、これほど短期間のうちに、 これほど多くの人々に受け入れられた例は他にないでしょう。 Sunが JDKを積極的に無償で配布したこと、 WWWの爆発的な成長時期に一致したことなども要因として作用していますが、 やはり Javaがプログラミング言語として非常に優れた設計思想に基づいている ことこそが最大の理由です。

JDKのバージョンの変遷
リリース時期バージョン
1995年 5月α版
1995年 10月1.0β版
1996年 1月JDK 1.0
1996年 12月1.1β版
1997年 2月JDK 1.1
1997年 12月1.2β版
1998年 3月JDK 1.1.5、1.2β3版
1998年 11月JDK1.1.7、1.2RC2
1998年 12月JDK1.2(Java2)
1999年 4月現在JDK 1.1.8、JDK1.2.1

・ JDK1.0 の段階では Javaを「アプレットの開発言語」と見る人も多かったようです。 しかし JDK1.1 の登場以後 Javaは、 本格的な主力開発言語として期待を集めるようになりました。 パフォーマンスの改善、国際化対応、セキュリティ機能の強化と標準化など 商用利用に必要な機能が盛り込まれ始めました。 データベースへのインターフェイスの構築、 異種機間のリモートなメソッドの呼び出しなどミドルウェアの 構築のためのパッケージも整備されます。
この動きは次の大きなバージョンアップである JDK1.2 によって、 さらに押し進められています。 Swingコンポーネントと Graphics2D の採用で、 java.awt の提供する GUIは柔軟で多様な要求に応えることが可能になりました。 JDK1.1 ではどちらかというと実験的な存在だったセキュリティの機能も、 大幅に拡張され柔軟なシステムとなっています。 また、分散オブジェクトの標準規格である CORBAに対する APIも提供しています。